ベトナムオフショア開発について
オフショア開発とはソフトウェア開発や、Webシステム、スマートフォンアプリ開発などを海外企業、または海外の現地法人などに委託することです。オフショア開発の主な目的は、システム開発のコスト削減とIT人材の確保です。日本や欧米などの発注元に比べて発注先である新興国の人件費が安いので、新興国のエンジニアを活用し開発することでコスト削減ができます。人件費が安く労働力が豊富なインドや中国、ベトナムなどが主な発注先となっています。オフショア開発は、コスト削減には効果的である一方で、言語の差によるコミュニケーションのミスや、現地技術者の技術力不足による品質不足などの問題が生じやすい一面もあります。
ベトナムオフショア開発:ソフトウェアアウトソーシングの新しい目的地
- ベトナムはトップ6アウトソーシングに入っています(2017年Gartnerのオフショアサービス向けのリーディンググローバルロケーションレポートより)
- ベトナムは2017年A.T. カーニー・グローバル・サービスロケーション指数のトップ10に入っています。
- ホーチミン市は8年連続でトップアウトソーシング都市になりました。(Tholons, 2000-2016)
- ベトナムはグローバル・オフショア・ホットスポットランキングで3位になり、コスト競争ランキングで1位になりました(Tower Watsonの2013年サービスオフショアランキングより)。
ベトナムは、現在約35万人と言われるIT人材の数を「2020年までに100万人」に引き上げる国家計画を進めています。ベトナム政府によるIT人材比率上昇政策に加え、総人口も現在の約9,250万人(2014年時点、国連人口基金推計より)から年間100万人前後の増加が続いています。
また、日本の平均年齢が45.8歳であるのに対し、ベトナムの平均年齢は28.7歳となっており、若いエンジニアがとても多いです。ベトナムは親日で、考え方も日本人と似ている部分が多くあります。また、近年エンジニアの日本語能力の向上も重視しています。
人件費が安い
ベトナムオフショア開発の人月単価の平均は、「20~30万円」となります。日本の人月単価の約3分の1くらいのコストになります。今までオフショア開発発注先の主流だった中国・インド等と比較しても安価です。
ベトナムの急成長
過去10年間で、ベトナムのビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)業界における成長率は毎年20%~35%増加しています。ベトナムソフトウェア&ITサービス協会(VINASA)によると、IT業界の成長率は2003年と比べて1000倍以上上がっています。 2003年にIT業界全体でエンジニアは約5000人、売上高は6200万ドルだけでした。2016年にはエンジニアの数は20万人、売上高は30億ドル以上に達しました。更に、ベトナムIT企業は技術革新を行い、全力で自社の製品・サービスの品質を強化し、国内の要求だけでなく、海外市場の難易度が高い要求も満たすよう努力を続けています。
日本とベトナムの友好関係
日本とベトナムの外交関係は1973年に樹立され、45年間を経て両国はお互いに色々な分野で大事なパートナになっています。政治的には、定期的に両国の指導者が相手国を交互に訪問することを継続しています。2017年には1年間で5回の高レベル訪問が行われました。その中で、特に重要なイベントは天皇皇后両陛下のベトナム訪問でした。
経済的には、日本はベトナムの主要なパートナであり、最大のODA供与者でもあります。また、日本はベトナムの貿易相手国としては第4位となっています。
上記の関係のおかげで、日系企業がベトナムでオフショア開発を行う際には、様々な優遇を受けることができます。
勤勉な国民性
ベトナム人は勤勉で責任感を持って仕事に取り組みます。アジアの国の中でも特に真面目に働くのがベトナム人です。